カナリーワーフのディールメーカー

LondonのCanary WharfでのM&Aの仕事、英語、観光等についてつれづれと

カナリーワーフについて

初めての投稿ということでまずはブログタイトルにもついているカナリーワーフ(Canary Wharf)について。

概要

カナリーワーフは、ロンドンの中心から東の方にある新しい商業地区・金融センターだ。正直商業施設は大したことないのだが、世界の名だたる金融関連企業がところせましと集まっている。投資銀行で言えば、JPモルガンモルガン・スタンレー、Citi、BOAML, クレディ・スイス、バークレイズ、HSBC、他にも、監査法人のKPMG、 EY、格付機関のS&P、Moody's、Fitch、クレジットカード大手のAmerican express、MasterCard、情報通信会社トムソンロイター等がオフィスを構えている。なお、ゴールドマンサックスやドイツ銀行は昔からの金融の中心であるCity of Londonの方に拠点を設けている。
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歴史

19世紀初頭にドック(船渠)が開発されて以来、大英帝国の繁栄とともに海運の拠点として繁栄した。もともと西インド(この場合は現在のインドの西部ではなく、新大陸のこと)での貿易で成功した Robert Milliganという商人が中心になって開発したこともあり、大西洋方面との貿易が多く、今でもWest India Quay等の地名が残っている。カナリーワーフという名前は、スペインのカナリア諸島(Canary Islands)から運ばれる果物の荷降ろしを行っていた場所にちなんだものだ。
http://i.dailymail.co.uk/i/pix/2013/05/16/article-2325399-19CEE192000005DC-926_964x628.jpg



その後英国で造船・海運業が衰退するのに伴って、1980年代にはドックが閉鎖され、その後ロンドン政府の後押しもあって再開発が進められた。クレディスイスが最初にバックオフィスを構えるというアイデアを発案し、その後商業施設や鉄道(DLR: Dock Light Railway)の建設も併せて再開発プロジェクトが進められた。1988年にはカナダのデベロッパーがプロジェクトを買い取り、1991年に当時ロンドンで最も高い高層ビルであるOne Canada Squareが完成した。なぜCanada Squareという広場があるのか疑問に思う方もいるかもしれないが、開発元がカナダの会社だったことが関係している。

最近は周りにどんどん高層マンションが建設されている。もしかすると数年後にはロンドン屈指の新興住宅街になっているかもしれない。

アクセス

Jubilee LineまたはDLRのCanary Wharf駅を使う。Victoria駅からは約20~30分。
tfl.gov.uk

なお、オフィス街らしく近くにはマリオット、ヒルトン、ノボテル等ホテルを探すには困らない。

最後に

正直、観光にはあまりお勧めしない。金融の中心の空気を吸いたいということであれば別だが、見どころは特にない。折角観光でロンドンに来ているのであれば、見どころは他にたくさんあるので、出張で近くまで来ているというのでもなければわざわざ足を運ぶ必要はないかもしれない。住むところとしては、満員電車に乗らずに通勤できるのは魅力的だが、外食するところはあまりなく、イベントや友達との会合はもっと市中心部か西寄りのところがほとんどで、30分以上電車で移動する必要があることを考えると、閑静な住宅街を優先するか交通の便を重視するかというトレードオフだろう。