ダノッター城はスコットランドの東海岸の断崖絶壁に建てられた古城だ。旅行好きにはおなじみの米旅行サイトトリップアドバイザーで「死ぬまでに行きたいお城」で第5位にランクインしている。
スコットランドの首都エディンバラ(Edinburgh)からアバディーン(Aberdeen)に向かう高速バスが止まるDunnottar Junctionというバス停で降りて、海に向かって歩いていくと遠くからは家のような、そして近づくにつ入れ廃墟のような姿が見えてくる。
駐車場を通り過ぎてさらに近付くと、そこには息を飲むような絶景が忽然と姿を現す。
空の蒼と海の青と、そしてカモメの歌と潮の香り。切り立った崖の上に鎮座するお城。
目前に迫っていても城へ渡るには、一端谷を下って崖を登っていく必要がある。見上げたダノッター城は上から見るのとはまた
異なってすごく巨大に見える。
近づくにつれて無骨でそしてゴツゴツしたその城壁そして飾り気のない縄文が近づいてくるそもそも扉と言うより洞窟トンネルと言ったほうが近いかもしれないそんなと無骨な建物なのだ。
ラピタを連想させるような半壊し、人気がなく、草木が建物の至る所にところどころに自然に生えている。廃墟好きにはほんとにたまらない光景。
ダノッター城の地図
建物の中といっても天井が抜けているのでもはや構築物と言ったほうが正しいのかもしれない。
1つの部屋を除いては基本的に全く家具なども置いておらず15世紀14世紀当時のフレームがそのまま残っている。
唯一家具が置いてあるGreat Hall
城からの眺め。どこまでも広がる海と空。
こんないかにもは難攻不落の城がなぜ廃墟になったかと言えば清教徒革命やその後のジャコバイトの反乱等の戦火に巻き込まれ、戦争によって破壊されたようだ。
Annals of Ulsterという年代記に7世紀時点で既に存在が確認されていた。その後スコットランドの先住民であるピクト人が占領し、スコットランド王国の源流となるアルバ王国に属した。その後ヴァイキングによる侵攻により王が戦死したとの記録が残っている。
フェルギュスというアーサー王伝説に登場する騎士による騎士道物語にも登場する。その後中世を通じてその地理的な戦略性からイングランドとスコットランドの構想で度々戦場となった。
清教徒革命の際には、スコットランド王室の即位などで使われる伝家の宝石が運びこまれたが、クロムウェル軍の攻撃に耐えかねて一説によれば、ビーチに下ろして海藻業者のバケツに紛れて持ち去った。
このビーチから宝石は持ち去られたのだろうか。
その後クロムウェルに敗れ、城は破壊された。破壊される前のお城のミニチュア。
一時城は再興されたが、ジャコバイトによる反乱の際に政府軍の侵攻をうけ、その後は再建されずに打ちすてられた。
お城からみた対岸。険峻な崖で、陸から攻めるのは困難を極めただろう。しかし、戦艦から砲弾の雨を降らされたら防ぎきるのは難しいのかもしれない。
お城に向かう道の風景の絶景。
夕暮れのダノッター城はさらに美しいに違いないが、Aberdeenに宿泊する場合で公共交通機関を利用する場合は、バスの時間があるので、夕焼けが見える時間まで滞在するのは難しい。
夕焼けのダノッター城の写真を撮りたいなら、近くのStoneheavenに泊るか、自分で車を運転する必要がある。
アクセスはあまり良くないが、間違いなく絶景で、廃墟好きの自分にはたまらないお城だった。
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