カナリーワーフのディールメーカー

LondonのCanary WharfでのM&Aの仕事、英語、観光等についてつれづれと

英国お城探訪記~Hampton Court Palace(ハンプトン・コート宮殿)~【ロンドン近郊】

今回は週末を利用してロンドン市内を横切って流れるテムズ川上流にあるイギリス王家の旧宮殿であるHampton Court Palace(ハンプトン・コート宮殿)に行ってきた。

ヘンリ8世の寵臣で人臣を極めたトマス・ウルジーが最初に建て、その後ヘンリ8世に進呈され、イギリス王室の居城の一つとなった宮殿だ。

敷地に入るとすぐに赤色の宮殿目に飛び込んでくる。朝は逆光だが、建物のスカイラインがいかにもお城っぽくて良い。



幸いにも好天に恵まれ写真撮影には最高だが、かなり暑かったのでまずは庭園見てから建物の中に避難しようと考えて、最初に庭園へ。

Rose Gardenは、チケットなくても入れる場所であるためか、はっきり言ってしまえばそこまですごくない。綺麗と言えば綺麗だけれども、なかには枯れているものもあったりと、完璧に手入れされている様子ではなかった。

Kitchen Gardenは要は宮殿の野菜畑なので、時間ない人はとばすのがよい。


次にMaze(迷路)。宮殿への入場券を持っていれば無料だが、持っていなければ、Maze用のチケットを購入する必要がある。このMazeは、ぱっと見あまり規模が大きくなさそうだったので、簡単だろうと思ったよりも難しい。

結局真ん中の写真撮影ポイントにはたどり着くことができたけれども、出口を探している間に堂々巡りし、いつまでも迷っているわけにもいかないので、潔く入り口まで戻って脱出した。悔しい。

ちなみにこのMazeはところどころ植木の壁がすかすかになっており、となりの道などが見えていたりして、Leeds CastleやHever Castleよりもメンテナンス状態が良くない印象を持った。


さて、いよいよ宮殿中へ。門をくぐって中庭が広い。もはや広場。その周りの建築は迫力があって、まさに宮殿というたたずまい。

まずは、ヘンリ8世の時代からあった、Great Hallへ。なお、この宮殿時代は、ウィリアム3世の時代に拡張され、ヘンリ8世の時代の建物は一部分しか現存していない。

どうも演劇のパフォーマンス(無料)が11時半から開始されるということで人々がGreat Hallの中でそれを待っている様子。

ステンドグラスが色鮮やかで美しい。

豪華なステンドグラスとそれから中世のイギリスに特徴の特有の模様。

イギリスのお城ではお約束のタペストリー。ヘンリ8世が息子のためにフランドルで作らせたものは当時1枚£2,000の連作。1枚で軍艦が一隻買える値段だったとのこと。今は金持ちはステータスシンボルとしてフェラーリを買うが、当時は代わりにタペストリーを買ったそうだ。

立派な鹿の角。ハンティングの成果なのだろうか。

パフォーマンスは、当時の衣装を着た人たちが、ヘンリ8世等に扮して行うものだ。よっぽど英語が得意でなければ話についていくことは難しいかもしれない。発音自体はきれいな発音で喋っているのだが、何せマイクがないので立ち位置によっては音量がちいさいし、時代劇みたいなものなので歴史に対する理解が多少必要だ。

途中でちょっと飽きただねそのまま先へ進むことに。

当時遊ばれていたゲーム。

ヘンリ8世の時代の執務室。質素。

ヘンリ8世の肖像画。世界史の教科書とか資料集によく出てくるやつだ。堂々として存在感がある。ヘンリ8世の肖像画はいろいろなところで見かけるが、どれも威厳たっぷりの姿で描かれており、写真がない当時としては一種の広報、ブランディング戦略だったのだろう。

意思を投げつけられているのは、ローマ教皇。ヘンリ8世とローマ教皇との反目を如実に現した一枚。

戦争と相続でスペインとドイツ(北イタリア含む)にわたる広大な領域を支配し、時の人であった神聖ローマ皇帝カール5世。肖像画でここまで顎が突き出ている人も珍しい。

フランス国王でカール5世やヘンリ8世と欧州における覇権を競い合ったフランソワ1世。勝手にもっと細身・ブロンドの美男子を想像していたが意外に庶民的な顔。

枢密院会議が開かれた部屋。

ヘンリ8世と妻の一人が永遠の愛を誓った部屋。


その先はChapel Royalへ。内部は残念ながら写真禁止だが、すごく豪華で一見の価値あり。テュダー時代の宮殿内部は意外に質素にもかかわらず、チャペルは非常に豪華であるのが、中世の社会をよく表している。高校生の時なぜ世界史でこんなにキリスト教のことを習うのかと不思議だったが、今に残る当時の建物等を見るにつけて、キリスト教の財力・権力の大きさ、社会への影響力を実感する。

その後はGeorgian Storyということで、テューダー朝の次のハノーヴァー朝以降に建て替えられた部屋を見学。テューダー朝の素朴で力強く、中世独特の少しくらい雰囲気から、一気に豪華絢爛で華やかな雰囲気に変わる。

宮殿に上がる階段。

護衛の服も派手。

Dining Room

当時のドレス。如何にも貴族という雰囲気。

お次はDrawing Room。壁から天井まで油絵でびっしり埋め尽くされていて豪華絢爛。

天井にも素晴らしい絵が。

王の寝室。

お風呂。

その後噴水のある中庭に下りた。

個人的に回廊という構図が好き。

ヘンリ8世の時計。

その後入口と反対側の庭園、The Great Fountain Gardenへ。とても広くて、公園のよう。

噴水の池は藻が発生していなければ、宮殿が反射してもっときれいな写真が撮れたんだけど。

さらにその横のThe Privy Gardenに移動。こちらはウィリアム3世が造らせたバロック様式の庭園。

イメージ通りの如何にもヨーロッパの王侯貴族が住む宮殿という雰囲気。

庭園はきれいに整えられていて、きれいな造形になっているはずなのだが、大きすぎて地上からはよくわからないが、建物の上から眺めるのがちょうどよい。ウィリアム3世もこの風景を眺めていたのだ。


さらにテムズ川の方に進んでいくとThe Knot Gardenが。先ほど見たThe Rose Gardenと同じ日にとった写真とは思えないほど良く手入れされた色鮮やかな花が咲き誇っている。

暑さに耐えられなくなってきたので、William III's Apartmentの中に避難。

またまた、豪華な階段。王に謁見に来た者はいきなりこれで出迎えられる。

壁一面の装飾は全て剣や銃等の武器!

王に謁見する部屋。

王の執務室。

宝箱発見!?

昔のハンプトン・コート宮殿を描いた図。

Dining Room。

壁には美しい女性を描いた油絵がずらっと。中でも特に良いと思った一枚。

その後は、Young Henry VIII's Storyという展示へ。ヘンリ8世といえば、絶対王政という時代背景もえいきょうして、独断専行で離婚癖がある、太ったおじさんというイメージを持っている人も多いと思われるが、この展示では彼の違う一面を解き明かしている。

しかし、長くなるので、詳細はまた別の機会に。

そんなこんなで日も傾いてきたので、宮殿を後に。

駅から、宮殿に行く途中の橋で撮ったテムズ川。

イギリス旅行でお城・宮殿に行ってみたいという人には、ハンプトン・コート宮殿はお勧め。ケンジントン宮殿も豪華だが、もっと館というイメージだし、Hever Castleも庭園は素晴らしいが、内装はより質素だ。

canarywharf-deal-ma.hatenablog.com


行き方は、Waterloo駅から、Southwestern realwayで30~40分ほど。料金は事前に予約すれば£12~13程度。


A02 地球の歩き方 イギリス 2017~2018

A02 地球の歩き方 イギリス 2017~2018

  • 発売日: 2017/07/21
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)

特に英語があまり得意でないならば、あらかじめイギリスの歴史を少しかじっておくとさらに楽しめると思う。