カナリーワーフのディールメーカー

LondonのCanary WharfでのM&Aの仕事、英語、観光等についてつれづれと

ロンドンーオックスフォード日帰り旅行

イギリス最古の大学であり、世界的に有名なオックスフォード大学 (University of Oxford) を中心として発展してきたオックスフォード。オックスフォード大学はTimes High Educationが発表する世界大学ランキング2017年版で4位であり、数々の著名人を輩出している。そんなオックスフォードはロンドンから日帰りで行ける距離にある。

オックスフォードへの行き方

ロンドンからはバスと電車での生き方がある。ざっくり言えば、バスの方が安く、電車の方が速い。しかし電車でも早めに予約し、混雑する時間帯を避ければ往復10ポンド代で行くことも可能。


まずは適当なウェブサイトで一番安いチケットを探して、その後鉄道会社の公式ウェブサイトで予約する。往々にして公式ウェブサイト以外は、Booking feeと言って手数料を数ポンド取られるので、ひと手間かけて節約。


電車はバディントン駅から出るものが有名だが、今回はMarylebone 駅から出発する電車で向かった。所要時間は1時間。充電器もWifiもあるので、風景を見飽きても大丈夫。有名なラドクリフカメラ(Radcliffe Camera)に入るために、ツアーを申し込んだが朝9時からしか空きがなく、8時台にはオックスフォードに到着。

朝日が降り注ぐなか人通りが少なく静かにたたずむ街並みは中世の面影を残していて美しかった。

Bodleian Library

まずはツアーのスタート地点、Bodleian Libraryへ。

ちなみにツアーは以下のサイトから予約する。
What's On? | Tours


オックスフォード大学図書館は14世紀に整備されたが、英国国教会派によるカトリック文献の排斥などの思惑により一時閉鎖に追い込まれていたが、16世紀後半にThomas Bodleyという人が、私財を費やして(と言っても彼は富豪の未亡人と結婚したおかげだが)図書館を再興し、発展した。Bodleian LibraryのBodleianは彼の名にちなんだものだ。


ツアーは15人ほどで、ガイドは英語だが、必要であれば日本語のパンフレットがもらえる。

2,500万冊の本を所蔵している。ちなみにライバルのケンブリッジ、米国の名門大学ハーバードやイェールの図書館は900万冊前後の所蔵なので、大学図書館として圧倒的に規模が大きいことがわかる。また、マグナカルタを4部所蔵するなど、そのコレクションには歴史的に重要かつ貴重な文献も含まれており、質の面でも素晴らしい。

18世紀以降、全ての出版物を所蔵する役割を果たしており、今日でも毎週3,000冊/部の前の週の新刊書、新聞などを新たに所蔵しているとのこと。また、英国内の図書のみならず、海外の図書も多く所蔵しており、例えば日本、中国、韓国はそのコレクションのみならず専門の司書も配備している。現在600人にのぼる職員を抱えており、陣容はもはや大企業並みだ。

Divinity School

1420年に建てられた 大学内で最古の建物の一つ。教会の如く立派な装飾を施したため予算が度々不足し建築にかなり時間がかかった。最終的には予算不足のために装飾の一部を削った様子がうかがえる。


もともとは大学の中心だったが、大学の規模拡大とともに、講義活動は別の建物に移転し、代わりに図書館の一部となった。天井には寄付者のイニシャルが刻まれている。

なお、ハリーポッターと賢者の石にも使われている。

Convocation House

当時まだカレッジごとに独立したシステムやルールで運営されていたが、カンタベリー大司教を兼任していた当時の学長であるWilliam Laudはuniversityとして統一したルールを定めることを意図して、この部屋が改革の本部が置かれた。



なお、このWilliam Laudという人物は、イギリス国教会を奉じていたが、チャールズ一世の信任を背景に他宗派に強要したため、清教徒革命の遠因を作った人物でもある。また、清教徒革命の際には、王党派の本部がおかれた。

Chancellor's Court

中世から1960年まで実際にこの部屋で裁判所行われ、死罪や投獄の判決などの重刑を科すこともあった。もともとは、学生と街の住民対立の解決手段として始まったものが、中世の時代は同地域の唯一の権威として紛争可決に役立った。学生が飲み食いしても、代金を払わなかったことが頻繁にあったらしい。ケンブリッジ設立の経緯といい、オックスフォードの学生は結構不良が多いのかしら。

図書館内部

実際にはそれぞれの学部やテーマごとに閲覧室があるが、ツアーで入ったのは哲学や古典の閲覧室。中世から代々受け継がれてきた書物のオリジナルが所狭しと並んでいる。重厚な建築、一面の分厚い本、静寂の3つがそろったら、許されるならば時を忘れて一日中本を読んでしまうに違いない。残念ながら、撮影禁止なのでオフィシャルウェブサイトの画像を引用

https://www.bodleian.ox.ac.uk/__data/assets/image/0007/196261/300x223_tours_DH_2.jpg

Radcliffe Camera

18世紀に図書館の拡張の際に建てられた新古典主義の建物で、カメラはラテン語「丸天井の部屋」の意。なお、(オックスフォードの学生に知人がいなければ)ツアーでないと入れないが、内部は撮影禁止。カメラだがカメラ禁止。なので螺旋階段だけ。

ためいき橋(Bridge of Sighs)

イタリアにある同名の橋にちなんで名づけられたという。

聖マリア教会(University Church of St Mary the Virgin)

お金を払えば塔の上に登れる。オックスフォードの街を一望できて晴れの日はおすすめ。

昼食:

パイ専門店。オリジナルはレバーが入ったミートパイで、外はサクッと中は濃厚な味わい。グレイビーソースをたっぷりかけて頂く。

トリニティカレッジ(Trinity College)

オックスフォードと言えば、カレッジを巡らないわけにはいかないだろうということで、広大な敷地と美しい庭園で有名なトリニティカレッジへ。


噂にたがわぬ美しさ。勉強の合間に散歩したら、良い気分転換になりそう。一緒に図書館行って、ランチを食べて、講堂に通ったら恋も芽生えそう。

クライストチャーチ(Christ Church)

オックスフォードを代表するカレッジであり、オックスフォード地区の大聖堂を有する。数多くの首相を輩出し、映画ハリーポッターの撮影にも使われた非常に有名なカレッジ。なお、ニュージーランドの都市はこのカレッジにちなんで名づけられた。


残念ながら大聖堂はイベントのため閉館とのことで、ハリーポッターの撮影で使われたDining hallのみ見学。さすがハリーポッターは有名で、すごい行列。なお、入場は14時からで14時前にはすでに行列ができている。

これは40分前時点の行列。

ハリーポッターに出てくるホグワーツの食堂のシーンで使われたダイニングホール。

http://hogsford.com/wp-content/uploads/2015/09/Harry-Potter-Great-Hall-1.png

映画の中のダイニングホール。

アシュモレアン博物館(Ashmolean Museum of Art and Archeology)

世界最古の大学博物館である。大学博物館だと思ってあまり期待していなかったが、かなり広く、古代オリエントやエジプトから現代にいたるまで、極東から西欧に至る世界各地の様々な逸品を所蔵している。

ギリシャ・ローマの彫刻に加え、中国の景徳鎮、イギリスのシルバーウェアのコレクションが秀逸だった。また、中東の美術品の鮮やかなターコイズや青色の色使いが印象的だった。

最後に

いくつものカレッジを見て回りたいとか、博物館をじっくり見学したい場合は別だが、基本的にロンドンから日帰りで主要な観光名所は一通り満足に見ることができた。

オックスフォードの街並みは、ゴシック様式の建築が多いからか、歴史的な建物が今も街の景観を形作っているという点では同じでも、以前行ったポルトガルとは随分異なった雰囲気だった。時に凝った装飾はあっても全体的にシンプルで力強い印象が強く、緑と歴史が絶妙に調和した街並みは、非常に印象的だった。

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