カナリーワーフのディールメーカー

LondonのCanary WharfでのM&Aの仕事、英語、観光等についてつれづれと

魅惑の国ポルトガル縦断5日間一人旅  ーその4ー ~シントラ~

4日目は今回の旅行の目玉の一つ、(またまた)世界遺産シントラ。シントラには見どころが多く、特にお城・宮殿好きにはたまらない場所だ。リアルディズニーランドであるペーナ神殿、ポルトガル版万里の長城ムーア人の城壁、リアルRPGダンジョンのようなレガレイラ宮殿などなど。

最新のシントラ駅からペーナ宮殿までのバス時刻表。2018年4月末現在始発は9:15。
TIMETABLES

朝のRossio駅は窓口が一つしか空いていなく、切符買うには少し並ぶ必要あったが、余裕を持って到着していたので問題なし。窓口スタッフは英語がお世辞にも上手いと言えず、何度もシントラむけと確認したからか態度があまり良くなかった。

時間があったのでプラットフォーム横のカフェで朝食を購入。入り口にあるマシーンで番号札を引いて待つ。それに気づかないで待ちぼうけを食らっていた人がいたので、出発前の時間がないときは特に気を付けたい。以下の2つはどちらも美味しかった。

5月でも気温は11時度。風もあり日差しがないと寒い。434番のバス停では30分ほど待つことになるので防寒は必須。バス停ではゆうに30人程度列をなしているので、始発で行きたい場合は並ばないといけない。

待っている間にバスの周遊券を売りに来るスタッフがいるが、もしシントラ周遊パス(Bihete Train & Bus)券をすでに購入しているのであれば間違ってペーナとかムーアとか聞こえても入場券と間違えて買わないように。https://blog.hatena.ne.jp/bisumaruk2/canarywharf-deal-ma.hatenablog.com/edit?entry=17391345971645198201#

ペーナ宮殿(Palacio Nacional da Pena)

ペーナ宮殿は、かつて地震で廃墟と化した修道院をベースに19世紀にフェルナンド2世が命じて王家の離宮として建てたもので、ロマン主義建築の代表的な建物ということらしい。その鮮やかな姿はおとぎの国から抜け出してきたかのようだ。


始発のバスでペーナ宮殿に着いてもすでにチケットカウンターと入り口の両方に長蛇の列。

周遊券なんかにこだわらずUBERでさっさと来ればよかったと後悔。10時ごろ無事入場。宮殿の門から建物までは距離があるため、歩くかバス(有料)に乗る必要がある。十分歩ける距離なので、後続を待ってまだ出発しそうにない場合や、体力に自信がある場合は、歩いていくのがお勧め。緑に囲まれて気持ちい。

ペーナ宮殿が近づいてくる。わくわくする。

実際の室内混むので早めに見たほうが良い。逆に室内を見ないのであれば30~45分程度でも回れるはず。まず周りを見て戻ってきたら行列が2倍になっていてちょっと後悔。結局2時間使うことになってしまった。

城の周りをぐるっと一周すると遠くにムーアの城跡が見える。まるでRPGとかラピュタの世界に迷い込んだかのようだ。

宮殿の中はなかなか豪華である。さすが国王夫妻の住まい。
まずはダイニングルーム。

寝室

浴室。

ティールーム。眼下に広がる絶景を見渡しての紅茶はさぞかし美味しいことだろう。

またまたベッド。気持ち良さそう。

デザイン性のあるソファ。

ダントンアビーに出てきそうな電話機。

ホール。

流石にキッチンも広い。鍋の数と種類がすごい。

ブタの丸焼を入れるために豚の形にかたどってあるのだろうか。豚のサイズって個体差ないのだろうか。

これほどまでにヨーロッパらしからぬ異国情緒漂うを通り越してもはやメルヘンチックな宮殿があるだろうか。


ムーア人の城跡(Castelo dos Mouros)

歴史を紐解けばローマ帝国崩壊後、一時的にゲルマン民族の国が支配したあと、イベリア半島はイスラム教徒に支配される時代が続き、その一派であるムーア人が9世紀ごろに建設した城跡でその後キリスト教勢力によって陥落し、廃墟と化していたが、前述のフェルナンド2世の指示で一部修復された。



ムーア人の城跡はペーナ宮殿でて左徒歩5~10分。先ほど駅からペーナ宮殿に向かう途中に通った一つ前のバス停まで歩くと観光案内所らしき場所がある。

晴れていて日差しが強く、歩いているうちに汗ばんでくる陽気だったので森林浴が気持ちがいい。しかし、道は険しい。しばらく木漏れ日の中を舗装された山道を進む。

道の周りの崖には神話の時代に住んでいた巨人が、怒りにまかせてどこかの巨岩を投げつけたのではないかと思われるような巨岩が無造作に山肌に刺さっている。

しばらくすると城壁らしきものが見えてくる。森と一体化した城壁は巨神兵が出てきてもおかしくない雰囲気。

城壁内に入るとさらに城壁が左右に天に向かって伸びていく。城壁に上ると確かに万里の長城に似ている!奇しくもユーラシア大陸の東端と西端にそれぞれ長城があるのだ。ムーア人のと中国人は気が合うのかもしれない。人間考えることは同じなのかもしれない。

遠くにはペーナ宮殿のカラフルな姿が見える。

時間がもったいなかったが、さすがに足が疲れてきたので、カフェでご飯代わりにお菓子を買って食べながらひと休憩。

ここで時間がおしてきたので、national palaceは行かずにRegaleira placeに向かうことに。係の人曰く、ムーアの城塞をさらに下って30分歩くか、一旦シントラ駅に戻るしかないとのこと。

バスはペーナ宮殿行きのものに乗れば、national palaceを通り、一周回ってシントラ駅に戻れる。そこから435番のバスに乗り換えてレガレイラ宮殿に向かう。結局ここの移動に1時間弱費やしてしまった。

レガレイラ宮殿(Quinta da Regaleira)

レガレイラ宮殿では結局2時間ほど過ごした。この冒険心くすぐられる場所を1時間以内に回るのは難しい。誰が何のために作ったのか、大人が童心にかえって楽しめるのだ。

隠れた道、塔、洞窟、滝、橋、井戸、城、分かれ道と冒険に必要な有りとあらゆる要素が揃っている。地図からして宝の地図に見えないこともない。

あとはモンスターが出れば、完全にドラクエの世界だ。まさにリアルRPGなのだ。家にこもってゲームするのに飽きたら、西の果てまで旅してこのダンジョンを攻略してみよう。

まずは塔。登ってみるとはるか彼方の山の上にムーアの城壁が見える。この距離を歩くのはさすがにありえないだろう。1時間かかってもバスを待ってよかった。

その後立派に彫刻が施された構造物の口のこところに入ってい行くと意外に内側が広く、真っ暗な洞窟になっているではないか。

恐る恐る進んでいくと、なんと螺旋階段に囲まれた井戸の底に出た。これが世界ふしぎ発見でも紹介された井戸だろうか。

井戸への別の入り口から出ていくと今度は分かれ道になっている。これは本格的に冒険気分だ。

左側に進んでいくと出口周辺がかなり混んでいる様子で全く前に進まない。やっと出口に出たと思ったら、今度は滝があり、池をわたる飛び石!

前の人に写真をお願いされたので快くとってあげて、自分も同様に後ろの人にお願いすると、またされてかなりイライラしていたらしく、かなり強い口調で「No!」信じられなくて思わず「Excuse me!?」とききかえしてしまった。改めて「I said No!」と言われて、仕方なくあきらめるが、この人は相当怒っていたようで、池の近くに立っていたスタッフ(人が落ちてもレスキューできるように見張っていたのだろうか?)に写真を規制すべきだと文句を言っていた。

こういう人は本当に残念。待つのが好きな人なんていないだろうに、なぜそんなに気が立っているのか。一生に一度だけのチャンスの人も多いのだから素晴らしい思い出を写真に残したいのは人間なら分かり合えるだろうに。

気を取り直して、その後も入り組んだ様々な仕掛けを存分に堪能した。

先ほどの井戸の上。

秘密の扉。

異国情緒あふれるモニュメント。昔モンスターファームというゲームが好きだったが、その中で希少アイテム入手のために古代遺跡を探検するシーンがあるが、それを思い出した。

またまた洞窟へ。



最後に宮殿。

敷地はかなり広く、ほぼ網羅したものの、やはりすべてみてまわれれないのが残念だったが、本当に楽しい場所だった。駅に戻るバスは、来た時に降りたバス停と同じ。

しかしバスが来るまでに30分ほど待たねばならずかなりタイムロス。もともとユーラシア大陸の最西端ロカ岬も行こうと思っていたが、順調に行っても往復だけで2時間弱、滞在時間も含めると3時間弱かかるので、断念。

そういえばまともにご飯を食べていなかったので、駅で電車を待ちながら、駅前の売店で買ったスイーツを堪能。ポルトガルのスイーツは本当においしい。

シントラの伝統的なお菓子、queijadas。

夕飯:fcade dos mares

www.tripadvisor.jp


想像以上にムーディなお店。家族連れもいたが基本は老若問わずカップル。イワシとか豚のあさり炒めはやっぱりない。まぁこの雰囲気だといかにもなさそう。そこで店員に何か伝統料理があるか聞いて、タコを注文。スターターに海老も。

飲み物はヴィーニョ・ベルデ(Vinho Verde)、所謂緑色のワイン。店内の照明のせいか白ワインとぱっと見変わらない。それもそのはず、実は緑は色ではなく、未熟なという意味のことらしい。日本語で未熟なことを指して「まだまだ青い」というのを英語では「green」という形容詞で表現するが、それと同じことなのだろう。お味は非常にスッキリした酸味があり飲みやすい。かなりマイルドなので、お酒苦手な人もいけそう。逆に強い味が好きな人には物足りないかも。


海老は高かったが、これは美味かった。ぷりぷりかつソースが絶妙
でよかった。


タコは自分のこれまでのタコの概念を変える一品だった。自分はこれまで煮たタコというものをあまり食べてこなかった。したがってタコはこりこりした触感という認識がったのだが、柔らかいながらもろいわけではなくしっとりした弾力があり、味がしっかりしみているタコというのもおいしいものだと思った。

そんなこんなで、4日目も夜が更けていよいよ最終日。

To be continued

おまけ:ロカ岬まで回る場合に削るべき日程

私が訪れた三つの場所はどれも素晴らしいので、どれかに全く行かないということはあまりお勧めしない。特に、レガレイラ宮殿は非常にユニークなので、是非訪れてほしいが、レガレイラ宮殿に興味がない場合には、バスの乗り換えがあって時間を使う同宮殿に行かないというのが一番時間の節約になる。行ってみた実感では、地図で行先を探しながら見て回ることになるので、特定の場所だけ見て時間を短縮することは難しい。

そこでペーナ宮殿、レガレイラ宮殿、ムーアの城壁の全てに行く場合には、ペーナ宮殿の内部の見学をあきらめるというのが一番良いように思う。王室の生活の様子という意味では、フランスのベルサイユ宮殿の方が豪華であり、そちらでも見学できるという考え方もできるからだ。

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