カナリーワーフのディールメーカー

LondonのCanary WharfでのM&Aの仕事、英語、観光等についてつれづれと

実際にイギリスで働いてみて気付いたイギリス英語

電動昇降機というとかえって何のことだかわからにくらいエレベーターは日本語の単語として一般的になっているが、これはアメリカ英語だ。イギリス英語ではLiftという。慣れとは怖いものでイギリス生活にも慣れてきたのに、未だにI' ll meet you in front of the elevator!と行ってしまうことがある。今日は、仕事をしていて、気づいたイギリス英語をまとめてみたい。

エレベーター関連でもう一つ気をつけるべきなのは、イギリスにはGrand floorがあり、その上に1st floorがある。つまり、イギリスの1st floorというのは日本で言うところの2階である。これは確かフランスとかも同じだったと記憶している。

Are you alright?
イギリス人は挨拶代わりに、Are you alright?と言ってくる。職場に入りたての頃は、気にかけてくれているんだなと思っていたけど、いつまでたってもAre you alright?と聞いてくるので、自分そんなに困っているように見えるのかと思って、たまたまアメリカからイギリスに出向で来ていた同僚と話していると、彼もあまりなれなかったらしいが、どうもニュアンス的には、How are you doing?とか、What's up?のようなノリなんだということで二人で納得した。

Cheers!
イギリス人は本当にCheersを多用する。電話を切るときもCheers、ドアを開けてもらった時もCheers、メールの文末にもRegardsの代わりにCheers。たまに回転ずしでこれでもかというくらいにネタに醤油をかけている人を見かけるが、それくらいCheersを使う。たぶん1時間に1回は必ず言う。これでもかというくらいにCheers。でも結構使いやすくていいかもしれない。

Give me a shout
Shoutを辞書で調べると「叫ぶ」という意味なので、文字通り解釈すると大声で呼ぶくらいの感じだが、使われるときはもっとカジュアルで、Let me knowくらいのニュアンスで使われている。

例文:Give me a shout when you are done.
訳:終わったら教えて。

put in the diary
日記を書けということでは決してない。Outlookの予定に入れておいてくれという意味だ。

keen to
「~するのに熱心だ」と訳されるこの表現は、よく使われる表現だ。オーストラリアでもよく使われるようで、以前アメリカ人、オーストラリア人、自分で会話していた際には、アメリカ人はあまり聞きなれない表現なので面白がっていた。(アメリカといっても東海岸なのか西海岸なのか、はたまた南部なのかで単語が異なってくるので、一概に言えないが)アメリカ英語でしっくり来る表現がぱっと出てこないのだが、あえて言えば、really want toとかworking hard toみないなところだろうか。

lovely
アメリカ英語で言うところのawesome。ただし、人によってはあまり使わないし、個人的な感覚ではアラサーより上の年代の方が比較的よく使う傾向にある。

pack
コンサルなどが作成するパワーポイントのプレゼンテーションをPackと呼ぶ。アメリカだと、deckとかslideということの方が多い気がする。

football
Soccerではない。Footballなのだ。職場で一人や二人は、マンチェスターUリバプールアーセナルのファンがいるはず(?)なので、結構Footballが話題になる。

Cheers!

英文でよく見かけるラテン語の単語まとめ

英文を読んでいるとラテン語に出くわすことがある。中には既に、かなり一般的に使われているものもあって、もはや英語の一部と化しているものもあるが、中にはほんのたまに見かけて調べるものの、忘れたころに再登場するようなものもある。今回は自分が仕事で見かけた英文の中のラテン語をまとめてみる。(★の数は、個人的な見かける度合いの多さの目安)

ビジネスでよく見かけるラテン語

ad hoc (★★★) 特別の目的のための、即興の
コンサル業界では日本語の会話の中でもかなり使われている気もする。

confer /cf. (★★★) 参照
高校の英語の教科書にあった記憶があるのでかなり有名なはず。

curriculum vitae /CV (★★★) 履歴書
外資系に転職する際にマスト。Resumeという言い方もある。

exempli gratia /e.g. (★★★) 例えば
これは超有名。

et cetera /etc. (★★★) 等など。
みんな大好きetc

id est /i.e. (★★★) すなわち
これも超有名。個人的にはe.g./i.e./c.f./etc.が超有名四天王。

NB / Nota Bene (★★★)
ただし、~という点に注意という意味で頻出。

vice versa (★★★) 逆も同様  
覚えているとなかなか便利。

circa /c. (★★) およそ
コンサル、IB業界では頻出。便利な単語。

per se (★★) 正確には、本質的には

Status Quo (★★) 現状、そのままの状態
英語ではAs-isという言い方もする。
 
ditto (★★) 同様に。The sameと同じ意味。

de facto (★) 事実上の
デファクトスタンダードという単語は聞いたことがあるはず。

et al. (★) その他の人々、その他の事項


pro forma (★★★) 形式上の、仮・試算の
M&Aや投資関連の仕事ではプロフォーマ財務諸表等という形で頻出。
実際にはそうではないが、あたかも特定の事象が発生したものと仮定してそのインパクトを考慮したという意味合い。

veto (★★★) 拒否権

inter alia (★★) とりわけ

pari passu (★★) 並んで、同程度で  
ローンのパリパス条項が有名。別々の債務の間に返済の優先順位がなく、すべて同順位という意味。

pro bono (★★) プロボノ善意の活動

pro rata (★★) 比例して、案分して

mutatis mutandis (★) 準用して
契約書で全て事例を全て列挙することが難しい場合に使う。とても便利。

quid pro quo (★) 見返り、交換条件、対価

カナリーワーフについて

初めての投稿ということでまずはブログタイトルにもついているカナリーワーフ(Canary Wharf)について。

概要

カナリーワーフは、ロンドンの中心から東の方にある新しい商業地区・金融センターだ。正直商業施設は大したことないのだが、世界の名だたる金融関連企業がところせましと集まっている。投資銀行で言えば、JPモルガンモルガン・スタンレー、Citi、BOAML, クレディ・スイス、バークレイズ、HSBC、他にも、監査法人のKPMG、 EY、格付機関のS&P、Moody's、Fitch、クレジットカード大手のAmerican express、MasterCard、情報通信会社トムソンロイター等がオフィスを構えている。なお、ゴールドマンサックスやドイツ銀行は昔からの金融の中心であるCity of Londonの方に拠点を設けている。
https://upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/f/ff/Cabot_Square,_Canary_Wharf_-_June_2008.jpg


http://residential.canarywharf.com/wp-content/uploads/2017/02/canary-wharf-residential-location-estate-crossrail-place-3000x2100.jpg


歴史

19世紀初頭にドック(船渠)が開発されて以来、大英帝国の繁栄とともに海運の拠点として繁栄した。もともと西インド(この場合は現在のインドの西部ではなく、新大陸のこと)での貿易で成功した Robert Milliganという商人が中心になって開発したこともあり、大西洋方面との貿易が多く、今でもWest India Quay等の地名が残っている。カナリーワーフという名前は、スペインのカナリア諸島(Canary Islands)から運ばれる果物の荷降ろしを行っていた場所にちなんだものだ。
http://i.dailymail.co.uk/i/pix/2013/05/16/article-2325399-19CEE192000005DC-926_964x628.jpg



その後英国で造船・海運業が衰退するのに伴って、1980年代にはドックが閉鎖され、その後ロンドン政府の後押しもあって再開発が進められた。クレディスイスが最初にバックオフィスを構えるというアイデアを発案し、その後商業施設や鉄道(DLR: Dock Light Railway)の建設も併せて再開発プロジェクトが進められた。1988年にはカナダのデベロッパーがプロジェクトを買い取り、1991年に当時ロンドンで最も高い高層ビルであるOne Canada Squareが完成した。なぜCanada Squareという広場があるのか疑問に思う方もいるかもしれないが、開発元がカナダの会社だったことが関係している。

最近は周りにどんどん高層マンションが建設されている。もしかすると数年後にはロンドン屈指の新興住宅街になっているかもしれない。

アクセス

Jubilee LineまたはDLRのCanary Wharf駅を使う。Victoria駅からは約20~30分。
tfl.gov.uk

なお、オフィス街らしく近くにはマリオット、ヒルトン、ノボテル等ホテルを探すには困らない。

最後に

正直、観光にはあまりお勧めしない。金融の中心の空気を吸いたいということであれば別だが、見どころは特にない。折角観光でロンドンに来ているのであれば、見どころは他にたくさんあるので、出張で近くまで来ているというのでもなければわざわざ足を運ぶ必要はないかもしれない。住むところとしては、満員電車に乗らずに通勤できるのは魅力的だが、外食するところはあまりなく、イベントや友達との会合はもっと市中心部か西寄りのところがほとんどで、30分以上電車で移動する必要があることを考えると、閑静な住宅街を優先するか交通の便を重視するかというトレードオフだろう。